
こんにちは!元リフォーム営業マンのユースケです。
「夢のマイホーム計画、いざ打ち合わせが始まると、聞いたことのない専門用語ばかりで頭がパンクしそう…」 「『コーキング』って何?『尺貫法』って今どき使うの?担当者の話がよく分からない…」
家づくりは人生の一大イベント。ワクワクする一方で、普段聞き慣れない住宅用語の多さに戸惑う方も多いのではないでしょうか?私もこれまでたくさんのお客様と接してきましたが、専門用語の壁にぶつかる方は少なくありません。
でも、ご安心ください!これらの用語を少しでも理解しておけば、ハウスメーカーや工務店の担当者とのコミュニケーションが格段にスムーズになり、より納得のいく家づくりができるようになります。
今回は、私がお客様との会話で特に「これは押さえておきたい!」と感じた住宅用語を厳選し、分かりやすく解説していきます。建築のプロが使う言葉の裏側を知ることで、あなたはもう「言われるがまま」ではありません。ぜひ、この「住宅用語事典」を片手に、あなたの理想の家づくりを成功させましょう!
1. なぜ住宅用語を知る必要があるのか?
専門用語を知ることは、家づくりにおいて非常に重要です。
- コミュニケーションの円滑化: 担当者の説明が理解できるようになり、質問も的確にできるようになります。
- 誤解の防止: 用語の認識違いによるトラブルを未然に防ぎます。
- 納得のいく選択: 各工程や設備について深く理解することで、ご自身の希望に沿った選択ができるようになります。
- 知識武装で安心: 不安なく家づくりを進めるための「知識の武器」となります。
2. 知っておきたい住宅用語集(カテゴリー別)
それでは、カテゴリー別に住宅用語を解説していきます。
2.1. 計画・契約・お金に関する用語
家づくりを始める上で、まず知っておきたいのが計画段階やお金に関する用語です。
- インテリアコーディネーター: 専門知識に基づき、内装や家具、照明などのデザインや配置を提案してくれるプロフェッショナル。
- イニシャルコスト: 家を建てる際やリフォームする際に最初にかかる費用。建設費、設計費、諸費用などが含まれます。
- ランニングコスト: 家に住み始めてから継続的にかかる費用。光熱費、修繕費、税金、ローン返済などが該当します。
- メンテナンスコスト: 家の維持管理にかかる費用。外壁塗装、屋根の修繕、設備の交換などが含まれ、ランニングコストの一部です。
- 印紙税(いんしぜい): 契約書など特定の文書に課される税金。不動産の売買契約書や建築工事請負契約書などに貼付します。
- 請負契約(うけおいけいやく): 施主が工務店やハウスメーカーに工事を依頼し、完成物を引き渡してもらう契約。
- 金銭消費貸借契約(きんせんしょうひたいしゃくけいやく): 住宅ローンを借りる際に金融機関と結ぶ契約。
- 固定資産税(こていしさんぜい): 土地や建物などの固定資産に毎年かかる税金。市町村が課税します。
- 仲介手数料(ちゅうかいてすうりょう): 不動産の売買や賃貸契約において、不動産会社に支払う手数料。
- 元利均等返済(がんりきんとうへんさい): 住宅ローンの返済方法の一つ。毎月の返済額(元金+利息)が一定になる方式。
- 元金均等返済(がんきんきんとうへんさい): 住宅ローンの返済方法の一つ。毎月の元金返済額が一定で、利息分が変動するため、返済が進むにつれて総返済額が減っていく方式。
2.2. 敷地・基礎・構造に関する用語
家の土台や骨格に関わる、非常に重要な用語です。
- アプローチ: 玄関から門や道路までの通路部分。
- 犬走り(いぬばしり): 基礎や建物の周りに設けられた、細長いコンクリートや砂利のスペース。雨水の跳ね返り防止や防犯目的があります。
- GL(グランドライン、グランドレベル): 建築物の地面の高さの基準線。
- 地盤調査(じばんちょうさ): 建物を建てる前に、その土地の地盤の強度や沈下の可能性を調べること。
- スウェーデンサウンディング試験: 地盤調査の代表的な手法の一つ。先端のスクリューを地面にねじ込み、その抵抗値で地盤の強度を測定します。
- 地盤改良(じばんかいりょう): 地盤調査の結果、地盤が弱いと判断された場合に行う、地盤を強化する工事。
- 既存不適合建築物(きぞんふてきごうけんちくぶつ): 建築された時点では合法だったが、その後の法改正により現行法規に適合しなくなった建築物。
- 躯体(くたい): 建築物の主要な構造部分のこと。基礎、柱、梁、床、屋根など、建物の骨格を指します。
- 構造: 建物の骨組みや構造形式のこと。木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造などがあります。
- 構造計算(こうぞうけいさん): 建築基準法に基づき、地震や風などの外力に耐えられるか、建物の安全性を数値で確認する計算。
- 耐震等級(たいしんとうきゅう): 建物の地震に対する強さを示す指標。等級1~3があり、数字が大きいほど耐震性が高いです。
- 筋交い(すじかい): 柱と梁の間を斜めにつなぎ、地震や風による変形を防ぐ部材。
- 制震構造(せいしんこうぞう): 建物内部に制震装置を設置し、地震の揺れを吸収・抑制する構造。
- 耐力壁(たいりょくへき): 地震や風などの水平方向の力に抵抗する壁。筋交いや構造用合板などで構成されます。
- 基礎パッキン(きそパッキン): 基礎と土台の間に挟む部材。基礎と土台の間に隙間を作り、床下換気を促すことで、湿気対策になります。
- 基礎断熱(きそだんねつ): 基礎部分で断熱を行う方法。床下空間も室内空間の一部として扱うため、床下の温度変化が少なくなり、快適性が向上します。
- 既存不適合建築物(きぞんふてきごうけんちくぶつ): 建築された時点では合法だったが、その後の法改正により現行法規に適合しなくなった建築物。
- 切土(きりど): 敷地を平らにするために、高い部分を削り取る工事。
- 宅地(たくち): 建築物を建てるために整備された土地。
- 地目(ちもく): 土地の用途区分。宅地、田、畑、山林などがあります。
- 所有権(しょゆうけん): 土地や建物を自由に利用・処分できる権利。
2.3. 外装・屋根に関する用語
家の顔となる外壁や屋根に関する用語です。
- エクステリア: 建物本体以外の外構部分。庭、門扉、フェンス、駐車場などが含まれます。
- オーバーハング: 建物の一部分が、下の階や基礎からはみ出して張り出している構造。デザイン性や空間の有効活用に用いられます。
- ケラバ: 妻壁の先端部分にある、屋根の端が外壁よりも飛び出ている部分。雨水の侵入を防ぎます。
- 軒(のき): 屋根が外壁や窓よりも突き出ている部分。雨や日差しから外壁や窓を守り、夏場の室温上昇を抑える効果もあります。
- 鼻隠し(はなかくし): 軒先の垂木(たるき)の先端部分を隠すために取り付けられる板材。雨樋を取り付ける下地にもなります。
- サイディング: 外壁材の一種。工場で成形された板を貼り付けて施工します。窯業系、金属系など種類があります。
- コーキング: 外壁材の目地(つなぎ目)やサッシの隙間を埋める防水材。紫外線や経年で劣化するため、定期的なメンテナンス(打ち替え)が必要です。
- 漆喰(しっくい): 消石灰を主成分とした塗り壁材。調湿性や消臭性、防火性に優れています。
- 板張り: 外壁の一部に木材を貼る仕上げ。木材ならではの温かみがあります。
- タイル: 外壁材の一種。耐久性が非常に高く、メンテナンスの手間が少ないのが特徴です。
- ルーフィング: 屋根材の下に敷く防水シート。屋根材の隙間から侵入した雨水を防ぎます。
- 棟上げ(むねあげ): 木造住宅の建築工程で、柱や梁などの構造材を組み上げ、屋根の最上部にある「棟木(むなぎ)」を取り付けること。建物の骨格が完成したことを意味し、上棟式を行うこともあります。
- 切妻屋根(きりづまやね): 本を開いて伏せたような、二つの傾斜面を持つシンプルな形状の屋根。最も一般的な屋根の形です。
2.4. 内部・設備に関する用語
室内の仕上げや設備、快適性に関わる用語です。
- 上がり框(あがりがまち): 玄関の土間とホール(廊下)の段差部分にある横板。
- CL(シーリング): 天井のこと。建築図面などで「CL=2400」などと記載されている場合、天井の高さが2400mmであることを示します。
- FL(フロアレベル、フロアライン): 床の高さの基準線。建築図面などで「FL+0」などと記載され、基準の高さを示します。
- 開口部(かいこうぶ): 窓やドアなど、壁に開けられた部分の総称。
- ガラリ: 羽板を平行に並べた通気口や換気口のこと。ドアや壁の一部に設けられ、通気性を確保します。
- 鴨居(かもい): 和室の引き戸や障子などの上部にある、横木。
- 額縁(がくぶち): ドアや窓の開口部の周りを囲む化粧材。
- クロス: 壁や天井に貼る内装材。壁紙のこと。
- KD材(ケーディーざい): Kiln Dry(キルン ドライ)の略で、人工乾燥された木材のこと。乾燥させることで材木の含水率を安定させ、反りや割れを防ぎます。
- 真壁(しんかべ): 和室などで見られる、柱や梁が室内に露出している壁の構造。
- 大壁(おおかべ): 柱や梁が壁の中に隠れて見えない壁の構造。洋室などで一般的です。
- シックハウス: 建材や家具から放散される化学物質が原因で、体調不良を引き起こす現象。
- 省エネ(しょうエネ): エネルギー消費量を抑えること。住宅では高効率な設備や断熱性能の向上などで実現されます。
- スマートハウス: IT技術を使い、家庭内のエネルギー消費を最適にコントロールする住宅。HEMS(ヘムス)などのシステムが導入されます。
- 修正材(しゅうせいざい): 小さな木材を接着剤で貼り合わせて、大きな部材にしたもの。反りやねじれが少なく、安定性に優れています。
- 浄化槽(じょうかそう): 公共下水道が整備されていない地域で、生活排水を処理するための設備。
- スキップフロア: 部屋の一部や全体が、半階分ずらして配置された空間。空間に立体感と広がりをもたらします。
- 天窓(てんまど): 屋根に設置する窓。採光や換気に優れます。
- 面格子(めんごうし): 窓の外側に取り付ける格子。防犯や目隠しの役割があります。
- サッシ: 窓枠のこと。ガラスをはめ込む枠部分を指します。
- 高気密高断熱(こうきみつこうだんねつ): 隙間が少なく(高気密)、熱の出入りが少ない(高断熱)住宅のこと。冷暖房効率が向上し、快適な室内環境を実現します。
- 結露(けつろ): 暖かい空気が冷やされ、空気中の水蒸気が水滴になる現象。高気密高断熱の家は結露しにくいですが、換気も重要です。
- 断熱(だんねつ): 熱の移動を防ぐこと。外壁や屋根、床、窓などに断熱材を入れて、室内の温度を保ちます。
- 対流(たいりゅう): 空気や水が循環することで熱が移動する現象。
- 伝導(でんどう): 物体が直接触れ合うことで熱が移動する現象。
- U値(ユーチ): 熱貫流率のこと。窓や壁など、建物の部位からどれだけ熱が逃げやすいかを示す数値。小さいほど断熱性能が高いです。
- UA値(ユーエーチ): 外皮平均熱貫流率のこと。家全体から熱がどれだけ逃げやすいかを示す数値。小さいほど断熱性能が高いです。
- 断熱ガラス(だんねつガラス): 複層ガラスなどで、熱の伝わりを抑えるガラス。
- 遮熱ガラス(しゃねつガラス): 太陽光に含まれる熱線を反射し、室内の温度上昇を抑えるガラス。
2.5. 法規・設計・工程に関する用語
家を建てる際のルールや図面、工事の流れに関する用語です。
- 赤道(せきどう): 建築基準法で定められた、幅4m以上の道路。
- 建築確認申請(けんちくかくにんしんせい): 建築基準法に基づいて、建物の計画が法規に適合しているかを、建築主事や指定確認検査機関に申請すること。
- 瑕疵(かし): 住宅の欠陥や不具合のこと。
- 瑕疵担保責任保険(かしたんぽせきにんほけん): 住宅に瑕疵があった場合に、補修費用などを保険でまかなう制度。
- 契約不適合責任(けいやくふてきごうせきにん): 2020年4月の民法改正で「瑕疵担保責任」から名称変更。契約の内容に適合しない場合に、売主や請負業者に課せられる責任。
- 建蔽率(けんぺいりつ): 敷地面積に対する建築面積(建物を上から見た面積)の割合。建築基準法で定められています。
- 容積率(ようせきりつ): 敷地面積に対する延床面積(各階の床面積の合計)の割合。これも建築基準法で定められています。
- ZEH(ゼッチ)(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス): 高い断熱性能と省エネ設備で、消費エネルギーを抑え、さらに太陽光発電などでエネルギーを創ることで、年間の一次エネルギー消費量がゼロ以下となる住宅。
- 設計図(せっけいず): 家を建てるための詳細な図面。
- 意匠設計(いしょうせっけい): 間取りやデザイン、外観など、見た目や使い勝手に関する設計。
- 構造設計(こうぞうせっけい): 柱や梁、基礎など、建物の骨組みの強度や配置に関する設計。
- 設備設計(せつびせっけい): 電気、給排水、空調など、設備の配置や配管に関する設計。
- 図面の種類:
- 平面図(へいめんず): 各階を真上から見た図。間取りや壁の配置、ドアや窓の位置などが示されます。
- 立面図(りつめんず): 建物を東西南北の4方向から見た図。外観のデザインや窓の位置、高さなどが示されます。
- 展開図(てんかいず): 各部屋の壁を広げたように描いた図。壁面のデザインや収納、ニッチなどの詳細が示されます。
- 電気配線図(でんきはいせんず): コンセントやスイッチ、照明器具の配置を示した図。
- 施工面積(せこうめんせき): 実際に工事を行う部分の面積。延床面積に加えて、ポーチや吹き抜け、バルコニーなどを含めた面積を指すこともあり、業者によって定義が異なる場合があるので確認が必要です。
- 延床面積(のべゆかめんせき): 建築物の各階の床面積の合計。建築基準法上の床面積で、容積率の計算に使われます。
- 着工(ちゃっこう): 建築工事を開始すること。
- 竣工(しゅんこう): 建築工事が完了すること。
2.6. 尺貫法(日本の伝統的な単位)
昔の家づくりでは、今でも「尺」や「寸」といった単位が使われることがあります。
- 尺貫法(しゃっかんほう): 日本古来の度量衡(どりょうこう)の単位系。
- 寸(すん): 約3.03cm。
- 分(ぶ): 約3.03mm(1寸の1/10)。
3. 用語を知ったら、次はどうする?
ここまでで、たくさんの住宅用語を覚えることができたはずです。しかし、用語を知るだけでは不十分です。
- 質問を恐れない: 分からないことがあれば、その場で担当者に質問しましょう。「こんなこと聞いていいのかな?」と思う必要はありません。専門家は、お客様の疑問に答えるのが仕事です。
- メモを取る: 打ち合わせ中に聞いたことや疑問に思ったことは、すぐにメモを取りましょう。後で調べたり、改めて質問したりする際に役立ちます。
- 自分の言葉で確認する: 担当者の説明を理解したら、自分の言葉で「つまり、こういうことですか?」と確認してみましょう。認識のズレを防ぐことができます。
- 「なぜ?」を掘り下げる: ただ単に「これは必要です」と言われるだけでなく、「なぜ必要なのか?」「導入するとどんなメリットがあるのか?」を掘り下げて聞くことで、より納得して決断できます。
4. まとめ:知識を力に変えて、理想の家づくりへ!
家づくりは、人生に一度あるかないかの大きな買い物です。専門用語が飛び交う中でも、あなたが知識を身につけることで、主体的に家づくりに参加し、理想の住まいを現実のものにすることができます。
この「住宅用語事典」が、あなたの家づくりをスムーズに進めるための一助となれば幸いです。
ぜひ、この知識を力に変えて、納得のいく、そして心から満足できるマイホームを実現してくださいね!
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