皆さん、こんにちは!「唐揚げって、どこで食べても同じ?」いえいえ、そんなことはありません!日本には、地域ごとに独自の進化を遂げた「唐揚げ文化」が深く根付いているのをご存存知でしょうか?地域によっては、単なる「唐揚げ」とは呼ばれず、その土地ならではの特別な名前と、独自の製法、そして深い歴史を持つものが存在します。
「愛媛県今治市に『せんざんき』っていうのがあるらしいけど、普通の唐揚げとどう違うの?」「名前の由来は?」「どんな味で、どうやって食べるのが一番美味しいの?」
今日は、そんなあなたの疑問を解消するために、愛媛県今治市が誇る郷土料理、「せんざんき」の魅力に迫ります。その歴史から、独特の製法、そして地元で愛される理由まで、あなたの食欲を刺激する情報が満載です。
さあ、奥深き日本の唐揚げ文化、特に「せんざんき」の世界を一緒に探求し、食の旅に出かけましょう!
愛媛県今治市が誇る郷土料理「せんざんき」とは?
愛媛県今治市を訪れると、多くの飲食店で「唐揚げ」ではなく「せんざんき」という文字を目にします。これは単なる呼び方の違いではありません。せんざんきは、今治市で約300年もの長きにわたり愛され続けてきた、まさに「ソウルフード」と呼ぶにふさわしい郷土料理なのです。
1. 「せんざんき」の歴史と名前の由来
せんざんきの歴史は江戸時代にまで遡ると言われています。当時の今治藩主が、キジを捕らえて揚げ物にしたことが始まりとされています。この時、キジの肉を「千切りのように小さく切って揚げた」ことから、「千斬(せんざん)」「千斬鶏(せんざんき)」と呼ばれるようになったという説が有力です。
かつてはキジ肉が使われていましたが、時代とともに鶏肉が主流となり、現在では一般的に鶏肉を使った揚げ物を「せんざんき」と呼んでいます。しかし、その根底にある「千切りにした肉を揚げる」という調理法や、地域に根ざした食文化としての位置づけは、今も変わらず受け継がれています。
2. せんざんきの製法と味の秘密
せんざんきは、単に鶏肉を揚げたものではありません。その独特の美味しさには、いくつかの秘密が隠されています。
- 肉の芯まで染み込んだ深い味わい:
- 多くのせんざんき専門店や飲食店では、国産の鶏モモ肉を使用しています。
- 味の決め手となるのは、各店秘伝の「自家製タレ」です。このタレは、醤油をベースに、みりん、生姜、ニンニクなどを絶妙なバランスで配合しており、店によっては蜂蜜や水飴を加えて、奥深い甘みを加えているところもあります。
- この特製タレに、鶏肉を最低でも24時間、長いところでは1日以上じっくりと漬け込みます。さらに、真空パックで保存することで、タレが肉の芯までしっかりと染み込み、一口食べると肉汁と共に豊かな風味が口いっぱいに広がります。
- ジューシーな肉質とサクサクの衣:
- 長時間タレに漬け込むことで、肉はしっとりと柔らかく、揚げた後もジューシーさを保ちます。
- 衣は、片栗粉をまぶして揚げるのが一般的です。これにより、外はサクサク、中はふっくらとした食感に仕上がります。
- 柑橘系の爽やかさとの融合:
- 愛媛県は、瀬戸内海に面し、温暖な気候に恵まれた柑橘王国です。そのため、せんざんきを食べる際には、瀬戸内海産の新鮮なレモンを絞って食べるのが定番となっています。
- レモンの爽やかな酸味が、せんざんきの濃厚な味と肉の脂をさっぱりとさせ、後味を軽やかにしてくれます。この組み合わせが、せんざんきを飽きずに食べ続けられる秘訣の一つです。
3. 今治市内の人気店に見る「せんざんき」の多様性
今治市内には、せんざんきを提供する様々な飲食店があり、それぞれが独自のこだわりと工夫を凝らしています。ここでは、その一部をご紹介しましょう。
a. 今治焼鳥 丸さん:鉄板焼き鳥とせんざんきの融合
今治市といえば「今治焼鳥」が有名です。串に刺さずに鉄板で焼く独特のスタイルで、地元の人々に愛されています。「今治焼鳥 丸さん」は、創業28年の老舗で、この鉄板焼き鳥と共にせんざんきを提供しています。
- 特徴:
- 「丸さん」のせんざんきは、肉汁が溢れ、肉の奥深くまで味が染み込んでいるのが特徴です。
- 自家製の鶏皮のタレ(醤油ベースに蜂蜜、水飴入り)をかけて、さらに瀬戸内海のレモンを絞って食べるのが「丸さん」流。甘じょっぱいタレとレモンの酸味が絶妙なハーモニーを生み出します。
- 使用する鶏肉は国産モモ肉にこだわり、醤油、みりん、生姜、ニンニクなどで作った秘伝のタレに24時間漬け込みます。
- ユニークなメニュー:
- 「ロシアン残機」という、4個のうち1つに超激辛ソースが入った遊び心満載のメニューも提供しており、友人や家族と盛り上がるのに最適です。
b. 唐揚げ専門店:金賞受賞の本格派
今治市内には、唐揚げ専門店も数多く存在します。中には、「唐揚げグランプリ西日本醤油ダレ部門」で金賞を受賞するほどの高い評価を得ている店もあります。
- 特徴:
- この専門店のせんざんきは、100gあたり400円で提供されており、肉にしっかり味が染み込み、後味に上品な甘みが感じられるのが特徴です。
- 秘伝のタレは、醤油、酒、生姜、ニンニクをベースに、すりおろした玉ねぎを隠し味に加えることで、深みとコクを増しています。
- 肉を1日以上真空パックで保存するという徹底したこだわりが、タレを肉の芯まで染み込ませる秘訣です。
- 挑戦的な辛さ:
- 「レッドオウガ」という、2日かけて発酵させた自家製キムチソースを使った辛いせんざんきも提供しており、辛いもの好きにはたまらない一品です。
このように、今治のせんざんきは、各店が独自の工夫を凝らしながらも、その根底にある「肉の芯まで染み込んだ深い味わい」と「ジューシーさ」を追求し続けています。
日本各地に息づく多様な「唐揚げ文化」
せんざんき以外にも、日本には地域ごとに独自の進化を遂げた唐揚げが存在します。ここでは、その代表的な例をいくつかご紹介しましょう。
1. 長野県塩尻市・松本市 – 山賊焼き
長野県中信地方(塩尻市、松本市など)で約70年にわたって愛されているのが「山賊焼き」です。
- 特徴:
- 鶏肉を揚げるという点では唐揚げと共通していますが、山賊焼きは、鶏モモ肉を一枚肉のまま、ニンニクをたっぷり効かせた醤油ベースのタレに漬け込み、片栗粉をまぶして豪快に揚げたものです。
- その大きさは、特大サイズになると20cm、重さ400g以上にもなることも。
- ニンニクのパンチが効いた濃い目の味付けが特徴で、ご飯にもビールにも相性抜群です。
- 一部の地域では、小学校の給食にも登場するほど、地元に深く根付いています。
- 名前の由来:
- 「山賊焼き」というユニークな名前は、発祥とされる店の初代店主の祖父の顔が山賊に似ていると親戚の子が言ったことから、祖母が名付けたというユニークなエピソードがあります。
- 進化系グルメ:
- 最近では、山賊カレー、山賊そば、山賊焼きバーガーなど、様々な進化系グルメも登場し、その人気は広がりを見せています。
2. 世田谷区成城 – 塩唐揚げ
東京の世田谷区成城には、塩味オンリーで勝負するユニークな唐揚げ専門店があります。
- 特徴:
- この店の塩唐揚げは、1個約30gと小ぶりながらも、唐辛子を効かせた独自の塩ダレが特徴です。
- 国産若鶏のモモ肉を、店オリジナルの塩ダレに約3日間じっくり漬け込み、揚げる直前にもう一段階濃い味付けの仕上げダレにくぐらせるという二段階の味付けがされています。
- さらに、片栗粉にも塩ダレをまぶすことで、塩味をダイレクトに感じられるように工夫されています。
- さっぱりとした胸肉やトロッとしたカトロなど、部位のバリエーションも豊富で、様々な食感を楽しめます。
- 誕生秘話:
- この店のオーナーは、大分県出身で、高校時代に大好きだった塩唐揚げの店が閉店すると聞き、その味をなくしたくないという一心で、半年かけて作り方を教わり、この店を開いたという情熱的なエピソードがあります。
- 塩ダレのレシピは、秘密保持契約を結ぶほどの極秘事項で、オーナーと店長の2人だけが知る門外不出の味です。
まとめ:地域色豊かな唐揚げで、日本の食文化を再発見!
普段何気なく食べている「唐揚げ」ですが、日本各地には、その土地ならではの歴史や製法、そして人々の思いが詰まった、個性豊かな「唐揚げ文化」が息づいています。
今日お話ししたポイントをもう一度確認してみましょう。
- 愛媛県今治市「せんざんき」:
- 約300年の歴史を持つ郷土料理。
- 名前の由来は「千切り」説。
- 秘伝のタレに長時間漬け込み、肉の芯まで味が染み込んだジューシーさが特徴。
- 瀬戸内レモンを絞って食べるのが定番。
- 今治焼鳥店や唐揚げ専門店で独自の進化を遂げている。
- 長野県「山賊焼き」:
- 鶏一枚肉を豪快に揚げた、ニンニクが効いたパンチのある味わい。
- ご飯にもビールにも合うソウルフード。
- 世田谷区成城「塩唐揚げ」:
- 塩味オンリーで勝負する、独自の塩ダレが特徴の専門店。
- 二段階の味付けと、片栗粉にも塩ダレをまぶす工夫で、ダイレクトな塩味を実現。
これらの地域色豊かな唐揚げは、単なるB級グルメとしてだけでなく、その土地の歴史や風土、人々の暮らしに深く根ざした食文化の象徴と言えるでしょう。
ぜひ、このガイドを参考に、次に旅行する際には、その土地ならではの「唐揚げ」を味わってみてください。きっと、新たな発見と感動が待っているはずです。日本の奥深い食文化を、唐揚げを通じて再発見する旅に出かけましょう!
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