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【リフォームのプロが解説】新築なのに夏暑く冬寒い家はなぜ?後悔しないための断熱・気密対策とリノベーションで変わる快適性

リフォーム・住宅情報のプロが教える裏技
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ユースケ
ユースケ

こんにちは!元リフォーム営業マンのユースケです。

「せっかく新築したのに、夏はエアコンが効きにくいし、冬は足元がスースーする…」 「リノベーションで快適な家にしたいけど、どこから手をつければいいの?」

こんなお悩みをお持ちではありませんか?近年、新築住宅の性能は向上しているはずなのに、残念ながら「夏は暑く、冬は寒い家」はまだまだ存在します。そして、一度建ててしまった家は、すぐに建て替えられるものではありませんよね。

実は、この「暑い・寒い」の原因のほとんどは、**「断熱性能」と「気密性能」**にあります。そして、これらは新築時の設計段階で決まってしまうことが多く、後から対策するには知識と費用が必要です。

今回は、私が長年、住宅業界の現場で培ってきた経験から、

  • 新築なのに夏暑く冬寒い家の「残念な特徴」
  • 快適な住まいを実現するための「断熱材の選び方と施工の重要性」
  • 見落としがちな「気密性能」の重要性とその対策
  • 既存住宅を劇的に変える「リノベーションでの断熱・気密対策」

を徹底的に解説していきます。この記事を読めば、あなたの家がなぜ暑く寒いのかが明確になり、後悔しないための具体的な対策が見えてくるはずです。


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1. 新築なのに夏暑く冬寒い家の「残念な特徴」

新築なのに夏は暑く、冬は寒い家には、共通するいくつかの特徴があります。これを知ることで、ご自宅の「弱点」が見えてくるかもしれません。

1.1. 1. 断熱材の「不足」と「施工不良」

最も根本的な原因がこれです。断熱材は、家を外気温から守る「服」のようなもの。その服が薄かったり、きちんと着られていなかったりすると、外気温の影響をダイレクトに受けてしまいます。

  • 断熱材の厚み不足:
    • 国が定める最低限の省エネ基準はありますが、それだけでは「快適」とは言えません。特に古い基準で建てられた家や、コストを抑えるために薄い断熱材しか入っていない家は、外気の影響を受けやすいです。
    • 「ZEH基準」や「HEAT20」などの高い断熱基準を満たしていない家は、夏冬の室温差が大きくなりがちです。
  • 断熱材の施工不良:
    • たとえ良い断熱材が使われていても、隙間だらけだったり、きちんと充填されていなかったりすると、そこから熱が逃げたり入ったりしてしまいます。これを「断熱欠損」と呼びます。
    • 壁の内部や天井裏、床下など、目に見えない部分だからこそ、施工品質が非常に重要になります。

1.2. 2. 「窓」の性能不足と配置ミス

家の中で最も熱が出入りするのは窓です。熱の出入りの約50%以上は窓からと言われています。

  • 単板ガラス・アルミサッシ:
    • 古い家だけでなく、コストを抑えた新築住宅でも、断熱性能の低い単板ガラスや熱伝導率の高いアルミサッシが使われていることがあります。
    • 結露が発生しやすく、冬は窓際が冷え込み、夏は窓から強い日差しが差し込み、室温を上昇させます。
  • 窓の配置ミス:
    • 日差しが強く当たる南や西側に大きな窓が多数配置されているのに、日差しを遮る対策(軒、庇、外部ブラインドなど)が不十分だと、夏場にオーバーヒート状態になります。
    • 適切な位置に風の通り道となる窓がないと、夏場に自然な換気ができず、熱がこもりやすくなります。

1.3. 3. 「気密性」の不足と計画換気の不備

断熱材がしっかり入っていても、家全体に隙間が多いと、そこから空気が漏れてしまい、断熱効果が十分に発揮されません。

  • 隙間だらけの家:
    • 壁と床の間、窓枠の周り、配管や配線が貫通する部分など、目に見えない隙間から常に空気が漏れ、外気が侵入しています。
    • これを「隙間風」と呼びますが、隙間が広ければ広いほど、せっかく冷暖房しても熱が逃げたり、外気が入ったりしてしまい、エネルギー効率が非常に悪くなります。
    • 気密性の低さは、壁内結露の原因にもなり、建物の劣化を早めるリスクもあります。
  • 計画換気の不備:
    • 現在の新築住宅には24時間換気システムの設置が義務付けられていますが、その換気システムが適切に機能していないと、室内の空気がよどみ、夏は熱がこもり、冬は乾燥しやすくなります。
    • 高気密な家では、換気計画が非常に重要になります。

1.4. 4. 屋根や床下の断熱材の軽視

意外と見落とされがちなのが、屋根(天井)と床下の断熱です。

  • 屋根・天井:
    • 夏場、太陽からの熱は屋根を通じて室内に伝わってきます。屋根や天井の断熱材が不足していると、2階の部屋が非常に暑くなります。
    • 冬場は、暖められた空気が上昇するため、天井から熱が逃げやすくなります。
  • 床下:
    • 冬場は冷たい空気が床下から伝わり、足元が冷え込む原因になります。特に、床下からの湿気対策も不十分だと、さらに不快感が増します。

2. 快適な住まいを実現するための「断熱材」の選び方と施工の重要性

「暑い・寒い」を解消し、快適な家を手に入れるためには、適切な断熱材選びと、何よりも「正しい施工」が不可欠です。

2.1. 1. 断熱材の種類と特徴

断熱材には様々な種類があり、それぞれ特徴が異なります。

  • グラスウール・ロックウール(繊維系断熱材):
    • 特徴: コストパフォーマンスに優れ、吸音性、不燃性も高い。
    • 注意点: 湿気に弱く、湿気を吸うと断熱性能が低下する。隙間なく充填しないと効果が発揮されないため、丁寧な施工が必須。
  • ウレタンフォーム(発泡プラスチック系断熱材):
    • 特徴: 現場で吹き付けて発泡させるため、隙間なく施工でき、高い気密性も同時に確保しやすい。軽量。
    • 注意点: グラスウールに比べてコストは高め。
  • フェノールフォーム・硬質ウレタンフォーム(高性能プラスチック系断熱材):
    • 特徴: 非常に高い断熱性能を持ち、薄い厚みでも効果を発揮しやすい。耐火性にも優れる。
    • 注意点: 高価。
  • セルロースファイバー(自然素材系断熱材):
    • 特徴: 新聞古紙などを再利用したエコな素材。高い断熱性、調湿性、防音性を持つ。ホウ酸などで防虫・防カビ処理もされている。
    • 注意点: 施工できる業者が限られる場合がある。

2.2. 2. 「厚み」と「断熱等級」の重要性

  • 断熱材の厚み: 厚ければ厚いほど、断熱性能は高まります。ただし、壁の厚さには限界があるため、断熱材の種類と厚みのバランスが重要です。
  • 断熱等級(住宅性能表示制度):
    • 現在は**等級4(最低限の省エネ基準)**が義務化されていますが、これでは快適とは言えません。
    • 等級5(ZEH基準)等級6(HEAT20 G1相当)、**等級7(HEAT20 G2相当)**と、数字が上がるほど高性能な断熱性能を持つ家になります。
    • 特に等級6以上を目指すと、夏涼しく冬暖かい快適な室内環境を実現しやすくなります。

2.3. 3. 断熱材は「施工」が9割!

どんなに高性能な断熱材を使っても、施工がずさんでは意味がありません。

  • 隙間なく充填: 壁の中や天井裏、床下など、断熱材を隙間なく、かつ潰れないように充填することが重要です。
  • 防湿・気密シートの適切な設置: 内部結露を防ぐために、断熱材の外側(夏型結露対策)と室内側(冬型結露対策)に防湿・気密シートを適切に貼る必要があります。このシートに少しでも隙間があると、湿気が壁の中に入り込み、断熱材の性能低下や構造材の腐朽の原因となります。
  • 断熱欠損の防止: 窓枠周り、配管・配線貫通部、柱と断熱材の隙間など、熱が逃げやすい「断熱欠損」を起こしやすい箇所への丁寧な施工が求められます。

3. 見落としがちな「気密性能」の重要性とその対策

断熱材が「服」なら、気密は「服のボタンをしっかり閉める」こと。せっかく厚着をしても、ボタンが閉まっていなければ隙間風が入ってきてしまいます。

3.1. 1. 「C値」とは何か?なぜ重要なのか?

  • C値(相当隙間面積): 住宅の気密性を示す数値で、家全体の隙間の合計面積を延床面積で割ったものです。数値が小さいほど隙間が少なく、気密性が高い家と言えます。
    • 例:C値1.0c㎡/㎡は、家全体でハガキ1枚分の隙間がある状態に相当します。
    • 現在の省エネ基準ではC値の規定はありませんが、C値1.0c㎡/㎡以下が一つの目安とされ、さらに快適性を求めるなら0.5c㎡/㎡以下を目指すのが理想とされています。
  • C値が低い(高気密)と何が良いのか?
    • 断熱性能の向上: 隙間からの空気漏れが減るため、断熱材の性能が最大限に発揮されます。
    • 計画換気の実現: 給気口と排気口からきちんと空気が入れ替わり、効率的な換気が可能になります。これにより、室内の空気質を保ち、結露やカビの発生も抑えられます。
    • 冷暖房効率の向上: 室内温度が安定しやすいため、冷暖房の無駄が減り、光熱費が削減できます。
    • 快適性の向上: 隙間風がなく、冬は足元から冷えることがなく、夏は外の熱気が入り込みにくくなります。
    • 健康被害の軽減: 外部からの花粉やPM2.5などの侵入も抑えられます。

3.2. 2. 気密性能を高めるための対策

気密性能は、現場での地道な作業によって確保されます。

  • 気密テープ・気密シートの徹底:
    • 断熱材の防湿・気密シートのジョイント部分や、柱や梁との取り合い部分を専用の気密テープでしっかりと目張りします。
    • 配管や配線が壁を貫通する部分は、専用の気密スリーブやコーキング材で隙間をなくします。
  • 高気密サッシの採用:
    • 窓サッシ自体も気密性の高いものを選ぶことが重要です。樹脂サッシや木製サッシは、アルミサッシに比べて気密性が高い傾向にあります。
  • 丁寧な施工:
    • 大工さんや職人さんが、気密の重要性を理解し、一つ一つの作業を丁寧にこなすことが最も重要です。気密測定を行う工務店は、気密への意識が高いと言えるでしょう。
  • 気密測定の実施:
    • 完成見学会や契約前に、その工務店が「気密測定」を実施しているか確認しましょう。実際に測定データを見せてもらえると、その会社の気密施工に対するこだわりが分かります。

4. 既存住宅を劇的に変える「リノベーションでの断熱・気密対策」

「うちの家は新築じゃないから…」と諦める必要はありません!既存住宅でも、リノベーションで劇的に快適な家へ生まれ変わらせることが可能です。

4.1. 1. どこから手を付けるべきか?優先順位

リノベーションで断熱・気密性能を向上させる場合、費用対効果を考えて優先順位をつけましょう。

  • 1. 窓の交換(内窓設置・サッシ交換):
    • 最も効果を実感しやすいのが窓対策です。熱の出入りが最も多いため、ここを改善するだけで体感温度は大きく変わります。
    • 内窓の設置: 既存の窓の内側にもう一つ窓を取り付ける方法。工事が比較的簡単で費用も抑えられ、高い断熱・防音効果が得られます。
    • サッシごと交換: 既存のサッシとガラスを、高性能な樹脂サッシ+Low-E複層ガラス(またはトリプルガラス)に交換する方法。最も高い効果が得られますが、費用は高くなります。
  • 2. 天井・屋根の断熱強化:
    • 夏場の2階の暑さや、冬場の暖気の上昇を防ぐために非常に有効です。
    • 天井裏に断熱材を増し吹き・増し敷きする、または屋根裏に断熱材を充填するなどの方法があります。
  • 3. 壁の断熱強化:
    • 最も大掛かりな工事になり、費用も高くなります。外壁を剥がして断熱材を充填し直す「外断熱」や、内壁を剥がして充填する「内断熱」があります。
    • 費用と効果を考え、部分的なリノベーションの場合は優先順位が下がることもあります。しかし、大規模なリノベーションを行う場合は、ぜひ検討したい部分です。
  • 4. 床下の断熱強化:
    • 冬場の足元の冷え込み対策に有効です。床を剥がして断熱材を入れる方法や、床下から断熱材を充填する方法があります。
    • 湿気対策も同時に行うことが重要です。

4.2. 2. リノベーションで気密性も向上させる

断熱材の施工と同時に、気密性能も向上させるための対策を取り入れましょう。

  • 防湿・気密シートの徹底: 壁や天井の断熱材を入れる際に、防湿・気密シートを隙間なく施工することが重要です。
  • 気密テープ・コーキングの活用: 窓枠や配管・配線貫通部など、隙間が生じやすい箇所には、気密テープやコーキング材を丁寧に施します。
  • 換気システムの導入・見直し: 高気密化した家には、計画的な換気システムが必須です。既存の換気扇の見直しや、熱交換換気システムの導入を検討しましょう。

4.3. 3. 補助金制度の活用

既存住宅のリノベーションでも、断熱性能向上に関する様々な補助金制度を活用できます。

  • 住宅省エネ2025キャンペーン(仮称):
    • 新築だけでなく、既存住宅の省エネリフォームにも手厚い補助金が用意される可能性が高いです。
    • 「先進的窓リノベ事業(高断熱窓への交換)」や「給湯省エネ事業(高効率給湯器への交換)」などが代表的です。
    • 子育て世帯や若者夫婦世帯でなくても、高性能なリフォームを行うことで補助金対象となる場合があります。
  • 自治体独自の補助金: お住まいの自治体でも、省エネリフォームに対する独自の補助金制度がある場合があります。
    • 事前にリフォーム業者や自治体の窓口に確認してみましょう。

5. 後悔しないためのプロの最終アドバイス

新築・リノベーション問わず、快適な住まいを手に入れるために最も重要なのは、**「目に見えない部分の重要性を理解し、信頼できるプロと出会うこと」**です。

5.1. 1. 「なぜ暑い・寒いのか?」原因を正確に把握する

  • 専門家による診断: まずは、住宅診断士や省エネ診断士など、専門家による診断を受けることを強くおすすめします。
  • サーモグラフィー診断: 熱の漏れている場所(断熱欠損、隙間)を視覚的に確認できるため、どこに手を入れるべきか明確になります。
  • 気密測定: 既存住宅で気密測定ができるかは状況によりますが、もし可能であれば、自宅の気密性能を数値で把握できます。

5.2. 2. 「費用対効果」を冷静に見極める

  • 予算は無限ではありません。どこに費用をかけると、最も快適性が向上し、光熱費が削減できるのか、費用対効果を考えて優先順位をつけましょう。
  • 例えば、窓の交換は比較的費用が抑えられ、高い効果が得られやすいです。壁や床の大規模な断熱改修は費用も高くなりますが、長期的な快適性と省エネ効果は絶大です。

5.3. 3. 「高気密・高断熱」を理解している業者を選ぶ

  • 知識と経験: 断熱材の種類や厚みだけでなく、気密施工の重要性、換気計画など、高気密・高断熱に関する深い知識と豊富な施工経験を持つ業者を選びましょう。
  • 実績の確認: その会社が実際に建てた(リノベーションした)高気密・高断熱住宅の施工事例や、C値のデータなどを見せてもらいましょう。
  • 説明の丁寧さ: 専門用語を避け、分かりやすく丁寧に説明してくれるか。メリットだけでなく、デメリットやリスクもきちんと説明してくれるかを見極めましょう。
  • 現場の見学: 可能であれば、その業者が施工中の現場や、完成したばかりの現場を見学させてもらい、実際の施工品質を確認しましょう。

5.4. 4. 「生涯コスト」で考える

初期費用はかかっても、光熱費やメンテナンス費用を抑え、快適な暮らしが長く続くことを考えると、**「高気密・高断熱」の家は、長い目で見て「お得」**になります。

  • エアコンの設定温度を極端に上げ下げしなくても快適に過ごせる
  • 冬場のヒートショックのリスクを軽減できる
  • 結露やカビの発生を抑え、健康的な室内環境を保てる

これらは、お金には換えられない大きな価値です。


まとめ:知識とプロの力で、あなたの家を「快適な場所」へ!

新築なのに夏暑く冬寒い家、または既存住宅の不快感を解消するには、原因を正確に把握し、適切な断熱・気密対策を講じることが重要です。

  • 断熱材の性能と施工品質
  • 窓の性能と配置
  • 気密性の確保と計画換気

これらの要素が組み合わさって初めて、本当に快適な住まいが実現します。

ぜひこの記事を参考に、ご自身の家を見直し、信頼できるプロの力を借りて、一年中快適な理想の暮らしを手に入れてください。あなたの家が、家族みんなが心からくつろげる、最高の場所になることを願っています!

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