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マイホーム資金計画の落とし穴と対策

リフォーム・住宅情報のプロが教える裏技
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元リフォーム営業マンが語る、危険な住宅ローンの見分け方

ユースケ
ユースケ

こんばんは、元リフォーム営業マンのユースケです。

「家族みんなで、夢のマイホームを建てたい!」

家づくりを考えるとき、誰もが希望に満ち溢れていますよね。私も営業マン時代、お客様の「こんな家に住みたい」という夢を形にするお手伝いができることに、大きな喜びを感じていました。

しかし、その一方で、夢のマイホームを手に入れたはずなのに、数年後に住宅ローンの返済に苦しむお客様を何人も見てきました。

「せっかく手に入れたマイホームを、手放さなければならないかもしれない…」

そう言って肩を落とすお客様の姿を見るたびに、私は胸が締め付けられる思いでした。

なぜ、このような悲劇が起きてしまうのでしょうか。

それは、住宅ローンが「銀行が貸してくれる金額」と「無理なく返済できる金額」が、必ずしも一致しないからです。

今回は、私が営業マン時代に見てきた失敗事例も踏まえながら、家づくりで陥りがちな「お金の落とし穴」と、住宅ローン破綻につながる「危険なローンの特徴」について、詳しく解説していきます。

これから家を建てようと考えている方は、ぜひこの話を頭の片隅に置いて、無理のない資金計画を立ててください。

住宅ローン破綻に繋がる「2つの心理的罠」

家づくりを進める過程で、私たちは知らず知らずのうちに、冷静な判断力を失ってしまうことがあります。これは、まるで一種の興奮状態に陥るようなものです。

1. 「マイホームハイ」になる

家づくりは、人生で最も大きなイベントの一つです。たくさんのカタログを見て、ショールームを回り、理想の間取りを考える。この過程は本当に楽しく、アドレナリンが放出されるような高揚感を覚えます。

しかし、この「マイホームハイ」の状態に陥ると、金銭感覚が麻痺してしまうことがあります。

  • 「せっかくだから、キッチンは憧れのアイランドキッチンにしよう」
  • 「床材は、少し高くても無垢材にしたいな」
  • 「やっぱり太陽光パネルも載せたいね」

最初に決めた予算をどんどんオーバーしてしまう。これこそが、住宅ローン破綻の入り口です。

2. 「茹でガエル」の法則

この現象は、たとえれば「茹でガエル」です。

カエルを熱湯に入れるとすぐに飛び出しますが、水からゆっくりと温度を上げていくと、気づかぬうちに茹でられてしまう、という例えです。

家づくりも同じです。

住宅展示場やチラシに記載されている「本体価格」は、あくまで最低限のものです。その後、地盤改良費、外構工事費、水道管の引き込み費用、各種税金…と、様々な費用が少しずつ追加されていきます。

「まあ、これくらいなら大丈夫か…」と、その都度納得してしまい、最終的に当初の予算から大幅にかけ離れた金額になっていることに気づかない。これは、家づくりで最も危険な兆候の一つです。

危険な住宅ローンの「6つの特徴」

では、具体的にどのような住宅ローンが危険なのでしょうか。私が営業マン時代に「このお客様は少し無理をしているな…」と感じた、危険なローンの特徴を6つご紹介します。

1. 年収の35%以上を返済に充てる

多くの銀行は、年収の35%を上限に借り入れを認めています。しかし、これはあくまで「理論上、返済できる上限」です。

私が見てきた中で、年収の35%以上をローンの返済に充てているお客様は、ほとんどの場合、日々の生活に余裕がなく、苦労されていました。

理想的な返済比率は、手取り収入の20〜25%程度だと言われています。これなら、急な出費や将来の教育費、車の買い替え費用などにも余裕を持って対応できます。銀行が貸してくれる額ではなく、「自分の生活が本当に豊かになる返済額」を自分で計算することが何よりも重要です。

2. 頭金ゼロのフルローン

「頭金なしでマイホームが持てる!」

この言葉は、非常に魅力的です。しかし、頭金が用意できないということは、その後の家計にも不安があるというサインだと考えてください。

住宅ローンの返済は、20年、30年と長期にわたります。その間には、子どもの教育費、車の買い替え、そして家のメンテナンス費用など、多くの出費が待っています。頭金が用意できないということは、これらの出費に備える余裕がない可能性が高いのです。

ただし、例外もあります。最近は、あえて頭金を出さず、手元の現金を運用に回すという考え方もあります。しかし、これは専門知識が必要なため、初心者にはあまりおすすめできません。

3. 返済計画の先延ばし

「ボーナスや退職金でまとめて返済すればいいか」 「年金生活になったら、家賃収入でローンを返済しよう」

このような返済計画は、非常に危険です。

将来の収入は、誰にも保証されていません。会社の業績が悪化してボーナスが減る、病気や怪我で働けなくなる、リストラされる…など、予期せぬ事態はいつ起こるか分かりません。

退職金や年金をあてにするのではなく、「毎月、確実に返済できる金額」を基準に資金計画を立てることが、将来の安心につながります。

4. ペアローン

夫婦でそれぞれローンを組む「ペアローン」は、借り入れ額を増やすことができるため、魅力的に見えます。

しかし、ここに大きなリスクが潜んでいます。

  • どちらか一方が病気や怪我で働けなくなった場合:片方の収入がなくなった途端、家計が破綻するリスクがあります。
  • 離婚した場合:夫婦関係が悪化し、ローンが共同名義のままになると、どちらかが支払いを滞納した場合に、もう一方に返済義務がのしかかることになります。

ペアローンは、夫婦どちらか一方に何かあった時のリスクを十分に検討した上で、慎重に判断する必要があります。

5. 年収の10倍ローン

「年収1,000万円だから、1億円の家を建てても大丈夫だろう」

一般的に、無理のない借り入れ額は年収の5〜7倍程度と言われています。年収の10倍以上を借り入れるのは、非常にリスクが高い行為です。

高収入の家庭でも、生活水準が高ければ、手元に残るお金は意外と少ないものです。年収の10倍ローンを組んでしまうと、毎月の返済額が家計を圧迫し、日々の生活を楽しむ余裕がなくなってしまう可能性があります。

6. 50年ローン(フラット50)

近年、返済期間が50年という超長期の住宅ローンも登場しました。

「80歳まで返済が続くなんて…」

リフォームの現場を見てきた私からすると、50年という期間は想像を絶する長さです。その間には、外壁塗装、屋根の葺き替え、水回りの設備交換など、多額のメンテナンス費用が発生します。

50年ローンは、将来何が起こるか分からないリスクを抱え込むことになります。老後の生活を圧迫する可能性も高く、非常に慎重に検討すべきローンです。

今後の住宅ローンはどうなる?

住宅ローンを選ぶ際、「固定金利」と「変動金利」のどちらを選ぶべきか、誰もが悩むところです。

一般的に、固定金利は返済額が変わらない安心感がある一方、金利は高めです。変動金利は、金利が低いため人気ですが、将来金利が上昇するリスクがあります。

最近、専門家の間では「いよいよ全期間固定金利の時代がやってくるかもしれない」という声も聞かれるようになりました。これは、変動金利と固定金利の差があまりなくなり、金利上昇リスクを考えれば、初めから固定金利を選んだ方が賢明だという考え方です。

変動金利を選んで、将来金利が上昇した時に後悔しないためには、「金利が1〜2%上昇しても、無理なく返済できるか」というシミュレーションを事前に行っておくことが大切です。

まとめ:夢のマイホームは「計画」から始まる

いかがでしたでしょうか。

夢のマイホームは、素晴らしいものです。しかし、その夢を叶えるためには、夢だけを追うのではなく、現実的な資金計画を立てることが不可欠です。

  • 銀行が貸してくれる金額ではなく、自分で「無理のない返済額」を計算する
  • 見せかけの安さに惑わされず、総額で判断する
  • ペアローンや50年ローンなど、リスクの高いローンには慎重になる

もし、万が一、返済が厳しくなりそうだと感じたら、決して一人で抱え込まず、すぐに金融機関に相談してください。

家は、家族の未来を育む場所です。その未来を安定させるためにも、まずは足元を固めることが何よりも大切です。皆さんの家づくりが、後悔のない素晴らしいものになることを心から願っています。

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